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就業規則を作成する意味
就業規則は、「会社のルール」です。
本来、労働者との雇用に関する賃金や労働時間等に関する定めは「労働契約」により行うべきです。
しかしながら、多くの労働者が働く会社で、個々に労働条件を定めていては非効率的であることから、労働条件をできる限り同じにしておくことが、効率的な会社運営において必要になります。
そのために、会社における職場内の規律を明確にし、社内の運用をスムーズにするために就業規則を作成します。
そのために、不必要な文言をやみくもに追加するのは好ましくありません。後々のトラブルになる可能性があります。必要なものを必要最小限かつ効率的に運用できるように就業規則を作成することが好ましいでしょう。
就業規則作成を社会保険労務士に依頼するメリットと依頼しないデメリット
就業規則は、労働基準法に精通している社会保険労務士に依頼するのがおすすめです。
社会保険労務士は、労働基準法や社会保険等を熟知している法律のスペシャリストであり、「ヒト」に関する法律を扱う唯一の国家資格者です。そのため、就業規則を社労士に依頼することで法律に合致した、またその会社の風土に合った就業規則を作成することが可能になります。
自社で就業規則作成を行う場合は、インターネット等で検索し作成していることが多いですが、自社に上手く運用できないようなものも意味なく文章として入ってしまっていることも多々あります。
何か従業員とトラブルがあった際は、就業規則がどう定められているかがカギとなって来る場合が多いですが、そのような場合によく分かっていなかった文章が足を引っ張る可能性があることも少なくありません。気を付けましょう。
就業規則は、どんなことを定めるのか?
就業規則には、必ず記載が必要な絶対的必要記載事項と、定める必要はないが定めた場合には就業規則に記載しなければならない相対的必要記載事項、定めたとしても就業規則に記載しなくてもいい任意的記載事項の3つがあります。
まず、絶対的必要記載事項は、「始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交代に就業させる場合においては就業時転換に関する事項」、「賃金(臨時の賃金等は除く)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給に関する事項」、「退職に関する事項(解雇の事由を含む)」です。休暇には、育児休業も含まれます。
相対的必要記載事項には、「退職手当の適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項」、「臨時の賃金等(退職手当は除く)及び最低賃金額に関する事項」、「労働者に負担させる食費、作業用品その他に関する事項」、「安全及び衛生に関する事項」、「職業訓練に関する事項」、「災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項」、「表彰及び制裁の種類及び程度に関する事項」があります。その他にも「旅費に関する事項や休職に関する事項、福利厚生に関する事項」もこの相対的必要記載事項に該当します。
そもそも就業規則はどんな会社に必要になるのか?
就業規則は、法律上「常時10人以上の労働者を使用する使用者」に作成義務があり、作成後諸葛労働基準監督署に届け出るひつようがあります。逆に言えば、10人未満であれば就業規則を作成する必要はありません。
10人未満の労働者しかいない場合でも就業規則を作成した方がいい理由
では、10人未満の従業員しかいないから、就業規則を作成しなくてもいいかというと、先ほども申し上げたとおり就業規則は、「会社のルール」です。これを定めていない場合は、細かいことまで労働契約により定めておく必要があります。
就業規則もなく、雇用契約書もろくに定めていなかった場合に労使トラブルになった時には、よりどころになるものが存在しないことになります。このようなケースの場合、会社側が不利になるような結果になることが多いです。言った言わないのようなトラブルにならないように就業規則は定めておく必要があると言えるでしょう。
また、従業員の雇用形態が似通っているのであれば、就業規則にて定める方が会社運営には効率的と言えるでしょう。
また、助成金の申請に当たっては、就業規則があることが前提になるような助成金も多々あります。そういった助成金を受給するためには、たとえ10人未満の会社であったとしても就業規則を定めることが必要になります。
上記のような理由もあり、従業員を雇用する会社は就業規則を作成した方がいいと言えるでしょう。
まとめると、以下のようなケースは就業規則を作成した方がいいと言えそうです。
就業規則が必要な理由1
従業員を新たに雇用する予定で、今後もどんどん事業を拡大していくようなケース。
⇒今後、同様の雇用形態の従業員が増えることから、会社運営上作成する必要があると言えます。
就業規則が必要な理由2
助成金に興味があり、申請をしたい。
⇒助成金の内容が、社内規程を変更するようなものであれば就業規則が必要になるケースが多いので、作成する必要があると言えるでしょう。
就業規則が必要になる理由3
常時10人以上従業員を雇用することになった。
⇒法律上の義務になりますので、速やかに作成しなければなりません。
就業規則が必要になる理由4
将来的な労使トラブルに備えたい。
⇒是非、今からしっかりとした就業規則を作成しましょう。
※当事務所は、しっかりとヒアリングをした上で、御社に合った完全カスタマイズの就業規則を作成・提案いたします。是非、一度お問い合わせください。