こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。
今日は、健康診断に使用できる助成金について、お話しします。
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健康診断に使用できる助成金について
まず、健康診断に使用できる助成金は大きく分けて2種類ございます。
①キャリアアップ助成金(諸手当制度等共通化コース)
一つ目は、よく聞くことがあると思いますが、「キャリアアップ助成金」になります。
このうち、「諸手当制度等共通化コース」というものが、この健康診断導入で使用できる助成金になります。
大事な要件
キャリアアップ助成金を使用した健康診断導入にあたり、絶対に外せない要件について述べていこうと思います。
・有期雇用労働者等に使用できる(正社員へ使用するものではない)
⇒「キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者・短時間労働者といった、いわゆる「非正規雇用」の労働者をキャリアアップ促進のため、正社員にしたり、処遇を改善したりといった取組を実施した事業主に対して助成する制度になります。「諸手当制度等共通化コース」は正社員と非正規雇用の社員との間の諸手当や健康診断実施の格差をなくすことを目的としています。
・事業主に「義務付けられていない」有期雇用労働者等に行う雇入時健康診断・定期健康診断・人間ドックであること
・対象者が4人以上必要
・雇入時健康診断や定期健康診断については事業主が「全額」、人間ドックは「半額」以上を負担すること
支給額
・1事業所当たり38万円<生産性要件を満たした場合は48万円>
※1事業所当たり1回のみの支給です。
②人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
こちらもよく聞く助成金かもしれませんが、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上等を図る事業主に対して助成され、魅力ある雇用創出を図ることにより、人材の確保・定着を目的としています。
大事な要件
・制度を実施するだけでなく、「離職率の低下目標を達成」することが必要。
・通常の労働者に対する法定の健康診断に「加え」、次に掲げる項目のいずれか1つ以上の項目導入する事業主であること。
○胃がん検診
○子宮がん検診
○肺がん検診
○乳がん検診
○大腸がん検診
○歯周疾患検診
○骨粗鬆症検診
○腰痛健康診断(※1)
(※1) 腰痛健康診断とは、厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」に掲げる健康診断(既往歴および業務歴の調査、自覚症状の有無の検査、脊柱の検査、神経学的検査、脊柱機能検査等)のことをいいます。
・医療機関への受診等により費用を要する場合は、費用の「半額以上」を事業主が負担していること。
支給額
目標達成助成⇒57万円<生産性要件を満たす場合72万円>
まとめ
いかがだったでしょうか?
そもそも法律上、義務付けられている健康診断には助成金は発生しません。
法律以上の取り組み内容を評価して、「社員を大切にする企業」に対して支払う助成金だったことが分かると思います。
既に「同一労働・同一賃金」の制度が施行されており、正規雇用と非正規雇用の社員の「責任や仕事量」が同等の場合には差別をすることができないことになっています。
そういった意味でも、何か手当等の見直しをされる際には、上記のような「キャリアアップ助成金」を始めとした何か助成金が活用できるかもしれませんね。