Archive for the ‘労働関係コラム’ Category

なぜ、いま個人事業主の働き方に焦点があてられるのか?~大手ショッピングサイトを例に考える~

2022-06-15

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、先日問題になった大手ショッピングサイトの配達業者の労働問題について取り上げます。

あなたは個人事業主?それとも従業員?

問題になったのは、個人事業主として働いている人を「従業員(労働者)」と同等に扱っていたことです。

今回は、「指揮命令下」にあったか否かが争点になっていますが、

つまり、「個人事業主と言いつつも、従業員と同じ働き方をしているでしょ?それはダメだよね」

ということです。

もう少し掘り下げてみましょう。

今回の事例としては、大手ショッピングサイトの配達を請け負っている大手配達会社が、直接配達しているわけではなく、その大手配達会社と業務委託契約をしている個人事業主が、実際には注文をした個人ユーザーへ届けている

という構図です。

そして、その大手配達会社と個人事業主は、「業務委託契約」であるにもかかわらず、実際は従業員と同じような働かせ方をしており、

仕事の裁量が個人事業主にはなかった=指揮命令下にあった

ということになり、この大手配達会社は、労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告をされたのです。

個人事業主と従業員とは、天地の差がある!

これは、保険関係の話になるのですが、個人事業主と従業員とは天地の差があります。

・健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険といった主たる保険は個人事業主にはかかりません。

・また、労働基準法の割増賃金や休日といった規定も、個人事業主には適用されません。

当たり前と言えばそうなのかもしれませんが、個人事業主の中には上記のようなことが分からずに知らず知らずのうちに事業主から搾取されている可能性もあるのです。

今回は、実態は個人事業主でないのに、個人事業主として働かせていることが常態化してしまっている運送業界にメスが入った形といえるでしょう。

他の業界も例外ではない⁈

私が普段かかわっている、建設業界やダンス業界も、運送業界と同様の事象が多々起こっています。

数年前に起こった電通事件もそうですが、労働問題については、今の世の中ではかなり大きなニュースとして取り上げられることが少なくありません。

そのため、労働基準監督署の是正といった直接的な話はありますが、「社会的信用」といった間接的に受けるダメージも相当なものです。

今後も上記のような問題が、より顕在化してくると思いますので、事業主様はしっかりと労務管理に向き合うようにした方がいいといえるでしょう。

労災かくしは犯罪になります!

2022-05-21

こんばんは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、社会保険労務士として、労災保険についてお話しします。

労災かくしとは

「労災かくし」とは、

労働災害が起こった時に、

・何も報告書等を提出せずに放置等をすること

・健康保険証を使用する等をして、労災がなかったことにする

等がこれに当たります。

労働者私傷病報告書について

まず、事業主としては、労働者が労働災害にあって休業・死亡した場合には、所定の労働基準監督署に「労働者私傷病報告」を提出する必要があります。

労災が起こった時は、保険をどうするか?
⇒健康保険証を使えるのか?

といったことに目が行きがちですが、上記の労働者私傷病報告書は保険証をどうするかといった所とは別次元のものとして提出が必要になります。

これを怠れば、どうなるかと言いますと、

「労災かくし」とみなされ、これを行った事業場に対しては司法処分として厳正に対処されることになります。

※労働者私傷病報告書の提出時期については、

死亡又は休業4日以上の場合は、発生後遅滞なく

休業1日~3日の場合は、4半期ごとに翌月末まで

に提出が必要になります。

保険証について

保険証については、もちろん労災の場合は、健康保険証を使用してはいけません

きちんと労災保険を使用し、労災保険の請求手続きを行いましょう。

1人親方等について

こういった労災が起こった時に、(偽装)1人親方等は、「労働者ではない」ことから事業場の労災を適用することはできません。

これをあたかも事業主が、雇っているようにして労災を適用させることは許されないことです。

そういった意味で、1人親方等はかなり不利益を被ることになりますので、建設業における偽装1人親方といった誤った働き方を選択するのは、絶対にやめましょう!

まとめ

いかがだったでしょうか?

「労働者私傷病報告書」は、漏れることが多いのでくれぐれも注意するようにしましょう。

育児・介護休業法の改正に対応できてますか?

2022-03-19

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、育児・介護休業法の改正について触れていきます。

令和4年度は、2段階の改正(4月からと10月から)が予定されていますが、今回は令和4年4月改正分をみていくことにします。

令和4年4月からの改正について

来月から改正されるポイントについて解説します。

①就業規則にかかわる事項について

「有期雇用労働者」が育児休業・介護休業を取得できる要件が緩和されます。
⇒就業規則に、下記の要件が記載されている場合は、その記載を「削除する」必要があります。

有期雇用労働者にあっては、次のいずれにも該当するものに限り休業をすることができる。

●育児休業
(1) 引き続き雇用された期間が1年以上←削除!
(2) 1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない
●介護休業
(1) 引き続き雇用された期間が1年以上←削除!
(2) 介護休業開始予定日から93日経過日から6か月を経過す
る日までに契約が満了することが明らかでない

つまり、有期雇用労働者について、雇用期間が1年以上でなくても、要件に合致する場合は育児・介護休業を取得させてあげる必要がある

ということになります。

ちなみに、「有期雇用労働者」とは、雇用期間が定まっている(雇用期間は令和○年○月○日~令和△年△月△日とするといったような)雇用形態のことをいいます。

②その他の改正事項について

・育児休業を取得しやすい雇用環境の整備について

➀~④のいずれかを実施してください(複数実施が望ましいです)。
①育児休業関する研修の実施
②育児休業に関する相談体制の整備(相談窓口や相談対応者の設置)
③自社の労働者の育児休業取得事例の収集・提供
④自社の労働者への育児休業制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

具体的には、以下のようなことを実施します。

➀「研修」
対象は、全労働者が望ましいですが、少なくとも管理職は、研修を受けたことがある状態にしてください。

②「相談体制の整備」
窓口を設ける場合、形式的に設けるだけでなく、実質的な対応が可能な窓口を設けてください。
また、窓口の周知等をして、労働者が利用しやすい体制を整備してください。

③「自社の育休取得事例の提供」
自社の育休取得事例を収集し、事例を掲載した書類の配付やイントラネットへの掲載等を行い、労働者が閲覧できるようにしてください。
提供する事例を特定の性別や職種、雇用形態に偏らせず、可能な限り様々な労働者の事例を収集・提供し、特定の者の育児休業の申し出を控えさせることに繋がらないように配慮してください。

④「制度と育休取得促進に関する方針の周知」
育児休業に関する制度と育児休業の取得の促進に関する事業主の方針を記載したもの(ポスターなど)を事業所内やイントラネットへ掲載してください。

・個別の周知・意向確認が必要になります。

(本人または配偶者の)妊娠・出産の申し出をした労働者に対して、行う必要があります。

➀~④全てを行ってください。
① 育児休業に関する制度(制度の内容など)
② 育児休業の申出先(例:「人事課」、「総務課」など)
③ 育児休業給付に関すること(例:制度の内容など)
④ 労働者が育児休業期間において負担すべき社会保険料の取扱い

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、来月から実施すべき育児・介護休業の内容について解説をしました。

就業規則に関しては、もし変更していなければ、早急に着手する必要がありますので、十分に注意するようにしましょう。

他にも「パワハラ防止措置」も令和4年4月から中小企業の事業主に義務付けていますので、こちらも併せて注意するようにしましょう。

令和4年の雇用保険率・社会保険料率について

2022-03-05

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、令和4年における「雇用保険率・社会保険料率」の件についてお話しします。

雇用保険率は2段階で引き上げられる予定です

まずは、雇用保険率からお話しします。

雇用保険率については、令和4年4月からと10月からの2段階で引き上げられることになっています。

これは、新型コロナウイルスによる、

失業者の増加や

雇用調整助成金を使いすぎたことによる財源不足

が挙げられると思います。

それもあり、

令和4年4月から

現行0.9%⇒0.95%(雇用二事業:企業負担分)へ0.05%のアップ

また令和4年10月から、

1.35%(失業等給付:労使折半分を0.4%アップ)へと引き上げられる予定となっています。

これにより、これまでの雇用保険料の納付額は増えることになります。

社会保険料について

協会けんぽにおける社会保険料については、「埼玉県」の場合、令和4年3月分(4月納付分)から引き下げられることになっています。

具体的には、健康保険料率になりますが、

介護保険第2号被保険者に該当しない(介護保険料を支払わない人)場合は

現行9.8%⇒9.71%へ

介護保険第2号被保険者に該当する(介護保険料を支払う人)場合は

現行11.6%⇒11.35%へ

引き下げられます。

こちらも、納付額に影響が出ることから注意が必要です。

まとめ

雇用保険率については、大幅に引き上げが予定されていることから注意が必要です。

給与の天引きにも影響が出ることから、漏れがないように注意しましょう。

早くコロナウィルスの影響がなくなり、世の中に活気が戻るといいですよね。

育児介護休業法の改正点及び新年のご挨拶

2022-01-01

明けましておめでとうございます。

今年も当事務所をどうぞよろしくお願いします。

さて、本日は育児介護休業法の現行法及び今後の改正点について、改めて確認していきましょう。

また、就業規則との関係についても触れていきます。

育児介護休業法の現行法(令和4年1月1日時点)

現時点の育児介護休業法については、令和3年1月1日施行のものが最新ということになります。

令和3年1月1日での主な改正点は下記のとおりです。

・「子の看護休暇」「介護休暇」が時間単位で取得できるようになっています。
⇒これまでは、半日単位での取得しかできませんでした。

・上記により、全労働者が取得可能に!
⇒これまでは、半日単位であることから、1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は取得不可でした。

今後の改正点について(令和4年4月1日~)

1 雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化

● 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備
⇒育児休業と産後パパ育休の申し出が円滑に行われるようにするため、事業主は以下のいずれかの措置を講じなければなりません。
※複数の措置を講じることが望ましいです。

① 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
② 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)
③ 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
④ 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

● 妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は育児休業制度等に関する以下の事項の周知と休業の取得意向の確認を、個別に行わなければなりません。
※取得を控えさせるような形での個別周知と意向確認は認められません。

≪周知事項≫
① 育児休業・産後パパ育休に関する制度
② 育児休業・産後パパ育休の申し出先
③ 育児休業給付に関すること
④ 労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い

≪個別周知・意向確認の方法≫
①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等 のいずれか
注:①はオンライン面談も可能。③④は労働者が希望した場合のみ。

2 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

≪現行制度≫
(育児休業の場合)
(1) 引き続き雇用された期間が1年以上
(2) 1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない

≪令和4年4月1日から≫
(1)の要件を撤廃し、(2)のみに
※無期雇用労働者と同様の取り扱い(引き続き雇用された期間が1年未満の労働者は労使協定の締結により除外可)
※育児休業給付についても同様に緩和

今後の改正点について(令和4年10月1日~)

産後パパ育休(出生時育児休業)の創設及び育児休業の分割取得

厚生労働省資料より

※1 雇用環境の整備などについて、今回の改正で義務付けられる内容を上回る取り組みの実施を労使協定で定めている場合は、1か月前までとすることができます。
※2 具体的な手続きの流れは以下①~④のとおりです。
①労働者が就業してもよい場合は、事業主にその条件を申し出
②事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示(候補日等がない場合はその旨)
③労働者が同意
④事業主が通知
なお、就業可能日等には上限があります。
●休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分
●休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満
例)所定労働時間が1日8時間、1週間の所定労働日が5日の労働者が、休業2週間・休業期間中の所定労働日10日・休業期間中の所定労働時間80時間の場合
⇒ 就業日数上限5日、就業時間上限40時間、休業開始・終了予定日の就業は8時間未満
※3 1歳以降の育児休業が、他の子についての産前・産後休業、産後パパ育休、介護休業または新たな育児
休業の開始により育児休業が終了した場合で、産休等の対象だった子等が死亡等したときは、再度育児
休業を取得できます。

≪イメージ≫

厚生労働省資料より

育児休業等を理由とする不利益取り扱いの禁止・ハラスメント防止

育児休業等の申し出・取得を理由に、事業主が解雇や退職強要、正社員からパートへの契約変更等の不利益な取り扱いを行うことは禁止されています。今回の改正で、妊娠・出産の申し出をしたこと、産後パパ育休の申し出・取得、産後パパ育休期間中の就業を申し出・同意しなかったこと等を理由とする不利益な取り扱いも禁止されます。
また、事業主には、上司や同僚からのハラスメントを防止する措置を講じることが義務付けられています。

ハラスメントの典型例
・育児休業の取得について上司に相談したら「男のくせに育児休業を取るなんてあり得ない」と言われ、取得を諦めざるを得なかった。
・産後パパ育休の取得を周囲に伝えたら、同僚から「迷惑だ。自分なら取得しない。あなたもそうすべき。」と言われ苦痛に感じた。

今後の改正点について(令和5年4月1日~)

育児休業取得状況の公表の義務化

従業員数1,000人超の企業は、育児休業等の取得の状況を年1回公表することが義務付けられます。
⇒公表内容は、男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」です。取得率の算定期間は、公表を行う日の属する事業年度(会計年度)の直前の事業年度です。インターネット等、一般の方が閲覧できる方法で公表してください。自社のホームページ等のほか、厚生労働省が運営するウェブサイト「両立支援のひろば」で公表することもおすすめします。

就業規則の変更について

さて、ここから就業規則のお話になりますが、就業規則において「休暇」に関することは、絶対的記載事項(絶対に就業規則に記載しないといけないこと)に該当します。

つまり、この育児介護休業法における「休暇」等については、法律で決まったことであったとしても就業規則の絶対的記載事項である以上、法律の施行がある時点までに就業規則に記載する必要が生じるということになります。

そのため、育児介護休業法に関する記載が一切ない、または、あったとしても法律の改正に追いついていない就業規則

は、厳しい見方をすると法律違反ということになります。

そのため、いち早い就業規則の改訂をおすすめします。

まとめ

いかがだったでしょうか。

育児介護休業法については、近年多くの改正が行われています。

その都度、就業規則を見直すことは大変かもしれませんが、コンプライアンスを重視している企業か否かは、今いる従業員さんやこれから入社する方にとっても非常に重要なことと言えるでしょう。

特に、育児介護休業法は、よく言われる「ワークライフバランス」の観点からも非常に重要な休暇です。

是非、働きやすい職場を目指していくためにも、適切な制度の導入を目指しましょう。

私立学校こそ1年単位の変形労働時間制を採用しましょう!

2021-12-16

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、1年単位の変形労働時間制についてお話しします。

1年単位の変形労働時間制とは?

1年単位の変形労働時間制とは、

・1ヵ月~1年以内の一定期間を平均して1週間あたりの労働時間が40時間を超えない範囲で、特定された週において40時間、特定された日において8時間を超えて労働させることができる制度です。
⇒つまり、忙しい月や週がある程度把握できるような企業にとっては、その時期に労働時間を集中させて、忙しくない月や週は思い切って休暇にできるという制度です。

そうすることで、割増賃金を減らすことができ、また、従業員にとっても休暇を取得しやすくなるため、お互いにとって利益になるでしょう。

制度を導入するには?

年間スケジュールを準備しましょう!

最初に1年間の労働日数と労働時間を決めなければいけないので、ある程度先を見据えた設定をしなければなりません。
※そのため、仕事が急に入ってきて忙しくなるといった企業は採用が難しいと思われます。
⇒逆に言えば、1年間の労働日がほぼルーティンになるような企業は採用できるというわけです。

労使協定を締結する必要があります

労使協定とは、使用者と労働者の過半数の代表者等が協定するものになります。1年単位の変形労働時間制を導入する場合には労使協定を締結する必要があります。
※使用者が、労働者の過半数の代表者を指名することはできないので、必ず労働者が自主的に選ぶ必要があります。

≪労使協定に定める事項≫

① 対象となる従業員の範囲
② 対象期間・起算日
③ 対象期間における労働日及び当該労働日ごとの所定労働時間
ただし、区分期間を設ける場合には、
・最初の区分期間における労働日と各労働日の所定労働時間
・残りの区分期間についての各期間の総労働日数と総所定労働時間数
④ 特定期間
⑤ 有効期間

区分期間とは、1年単位の期間の中で1ヵ月以上の期間をいくつか区分しておく、その期間を指します。
⇒そうすることで、先の区分期間は具体的な労働日まで定める必要がなくなります。

特定期間とは、対象期間中の特に忙しい期間のことを指します。
⇒特定期間では、連続労働日数の上限を12日とすることができます。
※原則は、連続6日までです。

1年単位の変形労働時間制の効果や注意点

・1日当たりの労働時間の限度を10時間にできます。
⇒通常、8時間です。

・1週間当たりの労働時間の限度を52時間にできます。
⇒通常、40時間です。

・対象期間が3か月を超える場合には、
⇒対象期間において、その労働時間が48時間を超える週が連続する場合の週数が3以下であること

⇒対象期間をその初日から3か月ごとに区分した各期間(3か月未満の期間を生じたときは当該期間)において、その労働時間が48時間を超える週の初日の数が3以下であること

といったことが挙げられます。

つまり、私立学校には導入できます!

上記のことから、私立学校等の年間スケジュールが分かっていて、繫忙期だけでなく、夏休み等の閑散期が把握できるような職場ではうってつけの制度となるのです。

導入することにより、入学時期の忙しい時期と、夏休み等の忙しくない時期の労働時間をうまく配分させることで、割増賃金の削減や教職員の休みやすい環境の整備を行うことができるのです。

※上記のようなイメージの企業であれば、私立学校に限らず採用はできると思います。

まとめ

1年単位の変形労働時間制についてお話ししました。

年間スケジュールが立てやすいような企業様は、検討する余地があるのではないでしょうか?

有名洋菓子店に見る長時間労働について

2021-11-14

こんばんは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、兵庫県の三田市の人気洋菓子店「パティシエ エス コヤマ」が、菓子の製造や販売を担当する従業員に月100時間超の時間外労働をさせていたとして、労働基準法違反で伊丹労働基準監督署(兵庫県伊丹市)から3年間で2度にわたり是正勧告を受けていたことについて、解説しようと思います。

2020年4月から月100時間以上の時間外労働及び休日労働は認められません!

この事件の事実は、平成30年に従業員約100人のうち55人が長時間の時間外労働をしており、一部で残業代の未払いがあったとのことで勧告を受けたが、その当時から改善がなされておらず現在に至っていることから、再度、今年になって勧告を受けたというものです。

これを受けて、同社は閉店時間を原則1時間早めるなど改善を実施し、未払い残業代についても2年分をさかのぼって支給すると決めたとのことでした。

ご存じかもしれませんが、時間外労働を従業員にさせるためには、大前提として36(さぶろく)協定の労働基準監督署への提出が必要になります。これを提出せずに従業員に時間外労働をさせると違法になります。

そして、これまではこの36協定を出していて、残業代をきちんと払ってさえいれば、何時間働かせても大丈夫といった感じでした。

しかし、 労働時間に上限ができたので2020年4月からこの36協定があったとしても、月100時間以上の時間外労働及び休日労働をさせることはできません。
※建設業等一部の業種は、2024年4月から適用になります。

守っていない場合は、事業者は「6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」に処せられる可能性があります。

そういった意味で、今回の事件もそうですが、

まず、時間外労働に対して未払い残業代があるかどうかも大切ですが、そもそも法に触れるような長時間労働もしていないかもチェックする必要が出てくるということです。

さらに、そもそも時間外労働がどういった場合に発生するか(何が労働時間になるか?)も知っておく必要があるでしょう。

こういったケースも実は、労働時間です!

・一度、会社に集まってから資材等の準備等を行い、建設現場に全員で移動する場合の移動時間

・作業着への着替えや準備体操の時間、清掃の時間

・使用者の指揮命令下にある場合は、実作業に従事していない仮眠時間

・交互に運転しているトラックの助手席で休息し、又は仮眠している時間

・参加することが業務上義務付けられている研修・職業訓練の受講に要する時間

・使用者が具体的に指示した仕事が客観的にみて正規の勤務の時間内ではなされ得ないと認められる場合の時間外労働

・休憩時間とされていても、来客当番等で待機させている時間

これらは、労働時間に該当することから、当然これらを含めて労働時間をカウントする必要があり、これらが労働基準法でいう法定の労働時間をオーバーするのであれば、賃金の上乗せが、法律上当然に必要になるということになります。

そのため、経営者としては、大前提として何が労働時間になるかを知っておかないと、

想定外の時間外労働(自覚がないままに残業代が発生しているような状態)が生じてしまうのでくれぐれもご注意ください。

keyboard_arrow_up

05088809888 問い合わせバナー