Archive for the ‘一般貨物自動車運送事業許可’ Category

一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)許可を取得した後、毎年絶対に必要なこと

2022-11-24

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)許可を取得した後、毎年、必ずしなければならないこと2点についてお話しします。

①「事業報告書」について

まずは、「事業報告書」というものがあります。

こちらは、運送事業に関する
・事業概況報告書
・年間の損益計算書
・年間の人件費明細

を作成・報告したりします。

「事業概況報告書」について

では、詳細を見ていきましょう。

まず、「事業概況報告書」ですが、様式が定まっております。

それぞれ、項目を埋めていけば大丈夫です。

「経営している事業」は、複数ある場合は、それぞれ欄ごとに記載をしてください。

「年間の損益計算書」について

「年間の損益計算書」についてですが、こちらも様式が定まっております。

こちらについては、「運送事業」によるもののみを記載します。

そのため、兼業売上が別にある場合は注意が必要です。

それぞれの項目についてですが、費用として計上するものがない項目は「0円」で大丈夫です。

もちろんのお話になりますが、ここに記載する数値に関しては、後で述べます「人件費明細表」と整合が取れている必要がありますし、その根拠となる決算報告書(貸借対照表や損益計算書)とも一致する必要があります

※「人件費」の項目が、「運送費」と「一般管理費」それぞれにありますので、
・「運送費」にかかる人件費としては、運転者、修理工、運行管理者等の専ら事業用自動車の運行に従事する者の人件費を記載し、
・「一般管理費」にかかる人件費としては、役員や事務員等の人件費を記載するようにしましょう。

「年間の人件費明細表」について

では、次に「年間の人件費明細表」について、見ていきましょう。

こちらも様式が定まっています。

「運送費」については、「運転者」と「その他」で分ける必要がありますが、先ほどの「一般貨物自動車運送事業損益明細表」にあります、「運送費」の人件費と一緒になるようにしましょう。

そして、一般管理費については、先ほどの「一般貨物自動車運送事業損益明細表の一般管理費の人件費」と一致するように金額を記載するようにしましょう。

そして、これらの数値が、先ほどの「一般貨物自動車運送事業損益明細表」及び「決算報告書」と一致している必要があるということになります。

提出期限等について

上記で作成した書類に加えて、損益計算書や貸借対照表を添付して、管轄の運輸支局に提出をしてください。

提出期限は、毎事業年度の経過後100日以内となっており、決算報告書が出来上がってからで考えると、実質1か月と少ししか期間がありませんので、速やかに提出することを心がけましょう。

②「事業実績報告」について

こちらは、「運送事業の実績」を報告します。

貨物自動車運送事業実績報告書

様式は、以下のとおりです。

事業概況は、「対象期間の期末日」を記載し、それに沿った内容を記載します。
※事業実績報告書は、先ほどの「①事業報告書」と異なり、年度ごとの実績を報告することとなりますので、各会社の決算期は関係ないです。

提出期間も、異なります(後述します)。

輸送実績については、年度の実績について、それぞれ事実を記載しましょう。

例えば、延実在車両数(日車)については、1年間に存在していた車両の数や日数を基に詳細に記載しましょう。

「走行キロ」と「実車キロ」は、荷物を運んで走行したか否かになります。

荷物を運んで走行していなければ、原則「実車キロ」にはカウントしません。

そのため、必ず
「走行キロ≧実車キロ」になります。

「輸送トン数」は、できる限り正確に数字を算定し、提出するようにしましょう。

提出期限等について

提出期限は、「前年4月1日から本年3月31日までの実績」について、本年7月10日までとなっています。

提出先は、管轄の運輸支局です。


まとめ

いかがだったでしょうか?

許可後にも手続きが諸々ありますが、さらに毎年申請が必要になる書類がありますので、許可を維持管理する上で、絶対に忘れないようにしましょう。

当事務所でも、サポートは可能です。


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「歩合給」の賃金制度が、運送業で必要な理由

2022-11-22

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、社会保険労務士として、運送業で採用すべき「給与体系」について解説します。

そして、なぜ運送業で「歩合給」が有効なのかについて、触れていくことにします。

かなり長文になると思いますが、一通り読んでいただければ、御社で歩合給を採用すべきか否かはわかってくるかと思います。

まずは、会社の「部門別」で考えます

まずは、「ドライバー」の方とそれ以外の部署で働く方に分けて考えることが必要です。

ドライバー以外の方については、「歩合給」はなじまないことが多いからです。

そして、ドライバーについても、「長距離」「中距離」等で分けて考える必要があります。

例えば、長距離ドライバーについては「移動距離」が主な観点になると思いますが、近場で荷物を運ぶドライバーだと、「配達数」等が主な観点になるからです。

これら全ての働き方の人をまとめて考えてしまうと、「歩合給」を採用する場合に基準自体に無理が出てきてしまいます。

そもそも、何故「歩合給」を採用するのか?

ただ、大前提として考えなければならないこととして、

そもそも、何故「歩合給」にする必要があるのか?

ということです。

「歩合給」を採用する目的としては、「成果給」という考え方があります。

つまり、「働いた人には、働いただけ給与を支給してあげよう」ということです。

これは、逆に言えば、「怠けている人が得をするのを防ぐ」目的があります。

そういった意味で、「配達数」や「運行距離」といった基準(出来高)で給与に差を設けるといった歩合給の制度は、運送業で採用するのは極めて合理的だといえます。

ただし、単に「未払い残業代を減らしたい」「残業代を減らせる手法は、歩合給だと聞いた」というお話だけで、歩合給を導入するのは非常に危険です。

本当に導入するメリットが自社にあるのかどうか、をよく考える必要があります。

中には、歩合給ではない方が合理的に事業が行える運送事業の会社もあるからです。

だからこそ、この賃金制度になじむ人(働き方)等に対してのみ「歩合給」を採用すべきです。

※上記「怠けている人が得をするのを防ぐ」の話をすると、他の職種でも同じ話ではないのか?という理屈になるかと思いますが、それについては、歩合給を他の職種で導入した時の影響(デメリット)がさまざま出てくると考えます。それについては、後述します。


経営者から見た「歩合給」について

では、経営者として、歩合給を導入するために、いくつか検討すべきことをお話しします。

①ドライバーの働き方について

先ほど申し上げた事項と重複しますが、自社のドライバーがどういった働き方をしているかが大切です。

長距離ドライバーばかりの事業所様であれば、歩合給の導入を検討する余地は十分にあるでしょう。

では、中距離や近距離のドライバーはどうでしょうか?

「荷物の数」や「走行距離」で判断するのは本当に賢明でしょうか?

賢明だと思われる場合は、是非、導入を検討してみてください。

②損益分岐点について

導入を検討されるのであれば、「損益分岐点」をしっかりと分析しましょう。

歩合給はメリットばかりではない(メリットについては後述します)ことを知っておく必要があります。

例えば、売上が物凄く高い会社においては、固定給の方が会社にとってはメリットが大きいかもしれません。

何を言っているのかといいますと、歩合給は、先ほど申し上げたとおり、成果に対して支払いますので、単純に売上が上がりますと、それだけ従業員さんにお支払いする給与も増えるということです。

これが、固定給であれば、いくら売上が上がろうとも、割増賃金等がなければ、従業員さんにお支払いする給与は変わらないわけです。

損益分岐点とは、それを上回れば黒字、下回れば赤字となる分岐点をいうものですが、一般的に、歩合給の方が損益分岐点は下がります。要するに、「売上が上がらない=それだけ成果が上がっていない」わけですから、従業員さんにお支払いする給与を下げることができ、結果として赤字になりにくいといった構造になるということです。

ただし、これには注意が必要で、売上が高くなりますと、逆に歩合給が高くなっていきますから、それだけ利益が低下するというお話しになります。

③モチベーションについて

次に、従業員さんのモチベーションになりますが、歩合給については、やればやっただけもらえる賃金制度のため、どちらかというと「個人プレー」になりやすく、賃金もいわゆる「終身雇用」を前提とした賃金カーブにならないため、労働者の確保・定着に不利に働く可能性もあります。


時間外労働の割増賃金について

「歩合給」のお話をすると、このテーマに興味がある人が多いのかもしれませんが、まず最初に申し上げなければいけないのは、

歩合給であっても、時間外労働に対する割増賃金は必要

ということです。

これだけ聞くと、残念に思うかもしれませんが、次の話を見てみてください。

例えばですが、

・月の所定労働時間を160時間
・月の残業時間を40時間
・固定給、歩合給ともに40万円支給すると考えます。

そうした時に割増賃金の計算時に、下記の違いが出てきます。

【固定給の場合】

割増賃金額=時間当たり賃金単価×割増率×時間外労働時間数

時間当たり賃金単価=40(万円)÷160(時間)=2,500円

割増率=1.25

時間外労働時間数=40時間

なので、 

2,500×1.25×40=125,000円となります。

【(オール)歩合給の場合】

割増賃金額=時間当たり賃金単価×割増率×時間外労働時間数

時間当たり賃金単価=40(万円)÷200(時間)=2,000円

割増率=0.25

時間外労働時間数=40時間

なので、

2,000×0.25×40=20,000円となります。

つまり、差額が「105,000円」となっており、これが歩合給を採用すべき最大のメリットといえます。

これは、計算間違えでもなんでもなく、正しい計算方法を基にしております。

なぜ、割増率が「0.25」でいいかという話については、「1」になる部分は歩合、つまり成果による出来高払いで既に支払済みであるという考え方によります。


「保障給」の支払いは必要です

これまで、歩合給は成果給であることを話してきていますが、では売上が少なかった場合に、それに応じて歩合給を減らしていいのかと言いますと、注意するべき点があります。

それが「保障給」というものになります。

この「保障給」については、労働基準法にも明示があり、法第27条に

(出来高払制の保障給)
第二十七条 出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。

とあることから、導入が必要であることが読み取れると思います。

そのため、売上がない時に、際限なく歩合給を減らせるかと言いますと、そうではないということになります。

オール歩合給は「違法」ではないのですか?

たまに、オール歩合給を「違法」と勘違いされている方がいらっしゃるのですが、何の法的根拠もありません。

そのため、オール歩合給は「合法」であって、決して違法ではありません。


「歩合給」をどのように採用するか

では、この歩合給ですが、実際の採用方法としては、主に下記の2点があります。

①オール歩合給

②固定給+歩合給の混合

①のオール歩合給における割増賃金額の計算方法については、先ほど述べたとおりです。
このオール歩合給を採用することこそが、未払い残業代を解消する手立てともいえます

②についても歩合給の部分について、基本的な考え方は変わらないです。

そのため、会社の事情に応じて、①にするか②にするかを決めていくのがいいと思います。
※固定給がベターであれば、固定給のみを採用するのももちろんありです。

年次有給休暇の取得には要注意です

②「固定給+歩合給」を採用している場合は、特にこの年次有給休暇に対する賃金の支払い方法について注意が必要です。

固定給部分については、通常の場合、有給休暇を取得する場合は、そのまま欠勤控除はなしで、支給すればいいだけなので、さほど大変ではありません。

しかし、上記の取り扱いの場合には、歩合給部分については計算されていないので、歩合給に関して別途計算した上で支払う必要がありますので、注意するようにしましょう。

計算方法としては、

出来高払制賃金の総額÷算定期間における総労働時間数×算定期間における1日平均所定労働時間数

となります。

「歩合給」が及ぼす影響について

最初の方に述べましたが、何故、運送業で「歩合給」が有効で、それ以外の業界では採用できないのかについて少し考察します。

少し難しい話になってしまうかもしれませんが、そもそも現代の日本における一般的な賃金制度は

「長期雇用を前提とした定期昇給」モデルだからです。

要するに、長く働けば、それだけ毎年給料が上がっていくというものです。

勘のいい方は、これだけ聞けば一般的な企業に歩合給が不向きなことがわかるでしょう。

歩合給については成果給であるから、やればやっただけもらえる賃金制度のため、どちらかというと個人プレーになりやすく、賃金もいわゆる「終身雇用」を前提とした賃金カーブにならないため、労働者の確保・定着に不利に働く可能性もあります。

と先ほど述べました。

つまり歩合給は、長期雇用を前提とした定期昇給モデルではないということです。

とは言え、当然ながら採用したドライバーさんには長期的に働いてほしいでしょうから、業界の慣習等も加味しながら、より魅力的な会社にし続けていく努力が必要だと思います。

累進歩合制度について(禁止)

いわゆる「累進歩合給」「トップ賞」といったものは、労働者の長時間労働やスピード違反を誘発するおそれがあるとして禁止されていますので、歩合給を運用する際は気を付ける必要があります。

※積算歩合給制は禁止されていません。

歩合給を運用する場合には、「就業規則」に規定するのがベターです

ある程度、方向性が固まって、いざ運用するといった時に、どうやって運用していくかということが非常に大切になってきます。

ベターなのは「就業規則」に規定することです。

就業規則の細かいお話しは、ここでは触れないですが、

就業規則に規定すれば、全従業員に適用できることになりますから、今後何かしら変更するケース等が生じた時に変更しやすいといった点がメリットとして挙げられます。

就業規則に規定をしなければ、個別に従業員ごとに合意をとっていく必要がありますので、今後も必要に応じて個別合意をしていくイメージになります。

ただ、いずれにしても、最初に歩合給を導入する際には、賃金制度そのものが変更になることから、「同意」自体は避けられないものと考えます。

歩合給を導入する際には、他の手当等の兼ね合いも含め、従業員さんに極力不利益にならないような制度設計をすることが肝要になります。

激変緩和措置を設けるべき

従業員さんに極力不利益にならないような仕組みとして、「激変緩和措置」を設けることをお勧めします。

激変緩和措置とは、今回のような歩合給を採用する際に、いきなり制度だけを導入してしまうと、これまでの給与水準を維持できない可能性があります(逆に、上回る可能性もあります)。

そういった時に、一定水準に到達しない時は、差額を補てんするといったものになります。

そして、この激変緩和措置を数年にわたって実施し、徐々に水準値を下げていくといった運用がベターです。

この激変緩和措置については、事務処理上、過度の負担にならないように設計することが大切です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

運送業において「歩合給」を設けることで得られるメリット等について触れました。

「歩合給」を運用するのは、これまでの賃金制度を大きく変えることになりますので、従業員さんとしっかりと話し合いながら、運用していくことが肝要です。

その際に、激変緩和措置を設ける等して、極力不利益にならないような制度設計を心がけましょう。

当事務所でも、賃金制度の変更に関するサポートを行っています。

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運送業者は、なぜ、社会保険に加入しないとヤバいのか?

2022-11-16

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、なぜ「運送業者」さんは、社会保険に加入しないとヤバいのか?

については解説します。

そもそも「法人」は社会保険への加入が必須です!

そもそものお話ですが、法人、つまり会社になっていれば、会社の社会保険自体の加入は「必須」です。

ただ、その中でも労働時間や労働日数が少ない人等については、社会保険に入らなくてもいいので、会社の中でも社会保険に加入している人、加入していない人に分かれてきます。

運送業で加入すべき人が加入していないと、本当にヤバい理由

上記のとおり、法人は社会保険に加入しないといけないため、そもそも、運送業の会社自体が未加入ということは、現行制度では、ほぼ考えられないのですが、本来加入しないといけない人が加入していなかった場合どうなるでしょうか?

当然、年金事務所にバレれば加入しないといけなくなりますし、遡って保険料を徴収される可能性はあります。

さらに、運送業に関しては気を付けることがあり、現行の基準で考えますと、

社会保険の未加入者が1名であれば「警告」、2名の場合は「20日車」、3名以上は「40日車」の対象になります。

つまり、「車両停止処分」にもなるのです。

そうなりますと、通常の業務に大きく影響がでますので、本当に大変なことになります。

だからこそ、社会保険の未加入だけは絶対に防がなければなりません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

運送業に関しては、通常の会社のお話だけでなく、運送業特有のルールが別にありますので、緑ナンバーを取得して事業をやっていくのであれば、色々と気を付けなければいけないことも多いということは知っておきましょう。

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「賃金の支払い」本当に大丈夫ですか?

2022-11-08

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、運送業によくある「賃金の未払い」についてお話しします。

きちんと払っているよ!

「そんなのきちんと払っているよ!」

という言葉がとんできそうですが、ちょっと話をきいてください。

「そもそも、その払っている賃金の計算方法があっていますか?

ということを私は申し上げています。

まず、大前提として「労働時間」をおさえているか?

では、まず、このお話しをするにあたり最初おさえておかなければならないこととして、「労働時間」を適切に把握できているかということです。

これがしっかりとおさえていないのであれば、何をもって適切な賃金を支払っているといえるか微妙な話になってくると思いませんか?

そのため、会社ごとに「労働時間」をしっかりと定義づけ、理解し、周知していることが大切なのです。

例えば、待機時間はどのように取り扱っているかといった話が、後々訴訟等になった際に大きく影響してくることになります。

これには労働基準法や過去の裁判例等をきちんと理解している必要があると言えるでしょう。

次に、「割増賃金」をきちんと支払えているか?

おそらく、次にネックになるのは「割増賃金」のお話でしょう。

割増賃金には、いわゆる残業代、深夜労働や休日労働が含まれてきます。

この「割増賃金」に関しても、法律どおりきちんと支払っているかが大切です。

例えば、原則として1日の労働時間が8時間を超えたものや、週の労働時間が40時間を超えたものに関しては、それぞれ割増賃金を支払う必要があります。

さらに、深夜労働や休日労働に関しても、それぞれ割増賃金を支払う必要があります。

この計算をするにあたり、先ほど申し上げた「何が労働時間になるか?」はもちろんのこと、その他にも「何が割増賃金の算定の基になるか?」といった知識が必要になります。

例えば、手当でも割増賃金の算定の基になるものもあれば、ならないものもあります。

あとは、何曜日が、休日労働の割増賃金の対象になるかといったこと等をあらかじめ設定し把握しておく必要等があります。

それらを適正に処理できているかが「割増賃金の未払い」がないかどうかに大きくかかわってきます。

例えば、とある手当が月5万円だとすると、この手当が割増賃金の算定の基になるか否かで、割増賃金の額が結構変わってくると思いませんか?

残念ながら、残業代未払い裁判の多くは「運送業」です…

ここまで聞いても、大丈夫と言える方はおそらく大丈夫なのでしょう。

ですが、残念ながら、「残業代が未払いだ!」ということで(元)従業員から訴えられている裁判の多くは、実は「運送業」なのです。

そして、会社側が負けているのもまた、「運送業」なのです。

そして今、賃金債権の消滅時効は2年から「3年」に変更されており、いずれ5年になると思われます。
つまり、現在は、遡って3年間の未払い賃金を請求されるということです。

この実は未払い賃金があった場合の未払い金額の総額は何百万円、場合によっては何千万円(あくまでも一人当たりです)にもなるわけですから、これが更に複数人となってしまえば、それを支払える余力がない会社は多く、この未払い賃金の話が基になり倒産している会社も多くありますので、他人事にはできないと思っています。

実は、未払い賃金があることはわかっているけど…

実は、未払い賃金が発生していることは感覚的にわかっているけど、支払えるだけの資金がないという方もいらっしゃるかもしれません。

それは、「手元にキャッシュがない」からだと思います。

「現金に余力があれば、支払いたい」
と思っていらっしゃる社長様も多くいると私は思っています。

では、これを解消できる手立てが複数あるとしたらどうでしょうか?
例えば、未払い残業代の支払い額を減らせる賃金の支払い方法があればどうでしょうか?
会社にキャッシュを残せる方法が、現実的に実現可能であればどうでしょうか?

一つとして、未払い残業代を減らす手立ては、間違いなく「歩合制」になるでしょう。

当事務所は、この「歩合制」を基に、さらにいくつかの手法を組み合わせた賃金制度をご提案いたします。

当事務所では、悪意のある経営者に悪用をされると困るので、あまり多くの会社様には提供していませんが、上記のような「支払いたいけど支払えない」状態にある経営者様には、積極的に当事務所で培ってきたノウハウを提供しています。

「会社にキャッシュを残しながら、現実的に賃金の支払える制度に変更できれば…」

のご要望を叶えることができるかもしれません。

もちろん当事務所に丸投げではなく、経営者様と一緒に実現していくことが必須になりますので、当事務所としてもしっかりとご説明を差し上げたうえで、やるかどうかを決めていただければと思います。
※ただし、具体的な方法については、ご契約後でないとお教えられないことをあらかじめご了承ください。

迷っているのであれば、一度ご連絡をいただければと思います。

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「巡回指導」がやってくるお話し

2022-10-29

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、一般貨物自動車運送事業許可を取得した「後」のお話をします。

巡回指導がやってくる…

許可取得後、安心してはいけません。

まだ、運輸開始前確認報告等が残っているからです。

また、その他に「運輸開始届」というものがあるのですが、これを提出した後数か月後には、「巡回指導」というものがやってきます。
※巡回指導は、トラック協会が対応します。

この巡回指導では、いくつかのチェックをされることになります。

例えば、許可内容から変更がないか、です。
⇒車庫がおかしなことになっていないか、名義貸しはしていないか等々です。

さらに、点呼がきちんとされているか、運転日報はつけているか、過労防止の対応がきちんとされているか等々あげれば、キリがないくらいですが、これらを法律で定められた帳簿等を基にチェックすることになります。

そのため、いい加減な運用や労務管理をしていると、巡回指導ではなく、国土交通省直々に「監査」を行うことになります。

この「監査」になってしまいますと、かなりの罰が与えられると考えたほうがいいです。
⇒例えば、車両のナンバーが取り上げられたり、営業停止・取消処分といったようなものが罰になります。

そのため、この「監査」にならないように、巡回指導の際にきちんと対応できる準備を日々整える必要があります。

初回の巡回指導を乗り切っても安心はできません!

この巡回指導は、数年に1回のペースでやってきます。

そのため、その都度対応するのでは、当然間に合いませんので、日々帳簿をしっかりとつける、労働時間等の労働基準法を守るといった対応が必要になります。

そのため、一般貨物自動車運送事業許可(緑ナンバー)を取得した事業者様は、コンプライアンスをしっかりと守り、適切に運用する必要があるということになります。

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「緑ナンバーで運送事業を始めたい!」と思った時に必要なこと

2022-10-22

こんにちは。

社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、これから緑ナンバーを取得して、運送事業を始めたいと思った時に何から始めればいいのかについてお話しします。

まずは、一般貨物自動車運送事業許可を取得しなければなりません

結論から言ってしまいますと、「許可」を取得する必要があります。

いわゆる「緑ナンバー」の許可です。これを、「一般貨物自動車運送事業許可」といいます。

これを取らずして、トラック等で荷物を有料で配達したりすると法律違反になってしまいます。

※ただし、軽自動車であれば、「黒ナンバー」を取得すればいいです。こちらは、緑ナンバーと比べてはるかに取得(届出制のため)しやすいので、すぐにでも荷物の運送が必要であれば、黒ナンバーを複数台取得するのもありかなと思います。

では、この緑ナンバーを取得するために、まず何をすべきかをお話しします。

運行管理者・整備管理者を見つけましょう!

緑ナンバーを取得する際に、大事になるものの一つは「ヒト」です。

運転手を確保するのはもちろんですが、資格を持っている人が必要になります。

それが、この「運行管理者」と「整備管理者」になります。

運行管理者については、運行管理者試験に合格した人を採用するのが手っ取り早いですが、それ以外に実務経験等で取得できることもあります。
⇒ただ、実務経験等は長い年月がかかりますので、運行開始後の社内体制の整備のために始めるのがいいかもしれません。

「整備管理者」については、こちらも自動車整備士技能検定に合格した人(1級から3級。種別(ディーゼル・エンジン等)は問われません。)がいいと思います。こちらも実務経験枠はございます。

営業所・車庫・車両を確保しましょう!

上記の「運行管理者」「整備管理者」と一緒に動かないといけないのは、「営業所」・「車庫」・「車両」になります。

もし、何か営業している事務所があり、そこに運送事業を追加するとなれば、そこまで難しくないかもしれません。

また、車庫と車両はセットになりますので、車両がないと当然運送事業は行えないですし、その車両を停める場所(車庫)がなければ営業ができないのはイメージできるかと思います。

ただ、注意しなければならないのは、この営業所・車庫には都市計画法等の制約があるということです。

すごく簡単に言ってしまえば、「違反建築物では営業させない」といったようなお話です。

実は、これが緑ナンバーを取得する上で一番厄介な話で、都市計画法等の制約があるかないかは、建物や土地のプロである不動産屋さんでも、正確に理解されていないことが多いです。

私自身が、元市役所職員で都市計画法関係の部署で長年働いていたのでわかるのですが、不動産屋さんが土地や建物の調査に来ても「あぁ、理解していないな…」と思うことが、かなりありました。

そして、誤った状態で、不動産の仲介しているわけですから、なかなか恐ろしいものです。

借りたり、買ったりしたはいいものの緑ナンバーを取得するための許可申請をしたら、実はその建物は使用できなかったみたいなことも起こりうるわけです。

こうなると、許可を取得するのが大幅に遅れますし、仮に賃貸契約等をなかったことにできたとしても、また営業所を探すといった手間も発生することになります。

都市計画法等の制約については、とても大事な話なので、いま現在、使用している営業所だったとしても要調査です。

さらに、車庫で言えば、前面道路の幅員も確保できていなくてはなりません。単に、「トラックが通れるだろう」といったものではないので注意が必要です。

「車両」については、一般的な運送事業であれば、最低5台は必要になりますので、こちらも確保できるように計画を立てましょう。

資金計画も大事な要素です。

申請段階で「資金計画表」を提出するのですが、それが下記になります。

国土交通省HPより

これらを単純計算すると、安くても1,000万円を軽く超えてくると思います。

おおむね1,500万円~2,000万円程度になるかと思います。

そして、この資金があることを残高証明書等で証明し申請することになりますので、あらかじめ資金の確保が必要ということになります。

これも、大きな関門になるかと思いますので、融資等も含めて検討する必要があります。

まとめ

今回は、緑ナンバーを取得したいといった時に、まず何をそろえればいいのかについてお話をさせていただきました。

上記のお話は、特につまずきやすい所をご説明させていただいております。

その他にも注意すべき点はありますが、まずは運送事業を始めたいと思ったら、上記の確保が可能かどうかを判断するようにしましょう。

当事務所では、不動産の調査を含め緑ナンバーを取得サポートしています。

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緑ナンバーの車両は「賃貸借」でも可能か?

2022-10-15

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)に係る車両は、「賃貸借でも可能か」どうかについて解説します。

大事なのは、「使用者」欄!

この記事をご覧の方は、ご存じの方も多いと思いますが、車検証には「所有者」欄以外にも「使用者」欄というものがあります。

国土交通省

上記見本は、自家用になっていますが、事業用でも同じです。

赤線部が「所有者」ですが、その下に「使用者の氏名又は名称」「使用者の住所」とあります。

この「使用者」部分が、申請事業者(になる予定)であれば、申請は可能です。

従って、「賃貸借」でも可能ということになります。

余談にはなりますが、少し前までは、リース等は不可でした。

※レンタカーでの登録は不可です。

使用権原があることを証明するものが必要です

ただ、先に車両を取得して不許可だと困るので、将来的に許可が出れば取得する予定といったこと自体も可能なのですが、その際は、「車両を賃貸借する予定である」旨の文言の記載された契約書等が必要になります。

どの車両を誰から、いつから、いくらで借りるのかといった大事なことをしっかりと盛り込むように注意しましょう。

緑ナンバーの付いた車両は要注意

例えば、勤めていた会社を独立して緑ナンバーを取得したいといった方で、勤めていた会社の社長が車両を譲ってくれる場合もあるでしょう。

その車両が仮に事業用の緑ナンバーだった場合には、その車両もしっかりと手続きを経て登録を受けていますので、単に独立した方が緑ナンバーの取得をするだけではなく、その勤めていた会社自体も「減車」等の手続きが必要になりますので、気を付けるようにしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

車検証の見方を知らなかったという方は、一般貨物自動車運送事業許可を取得するのに車検証のどの部分が大切なのか、今一度確認するようにしてください。

当事務所は、一般貨物自動車運送事業許可取得を全力でサポートいたします。

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点呼は、対面で行わないといけないのか?

2022-10-11

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、運送業者様にとって大切な「点呼」についてお話しします。

そもそも「点呼」とは?

そもそも「点呼」とは、何でしょうか?

事業者は、運転手がトラックを運転する前や後に「酒気帯びがないか」「睡眠不足等がないか」を確認する必要等があります。

そして、これらの確認等を行うために「点呼」を行うということです。

点呼は、「対面」による必要はあるのか?

それでは、点呼自体は、「対面」による必要があるのでしょうか?

実は、この答えは法律に記載されています。

「貨物自動車運送事業輸送安全規則」という法律があるのですが、この中に「運行管理者」に関することが記載されており、

(点呼等)
第七条 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者に対し、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法。次項において同じ。)により点呼を行い、次に掲げる事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。ただし、輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、貨物自動車運送事業者が点呼を行う場合にあっては、当該貨物自動車運送事業者は、対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定めた機器による点呼を行うことができる。
一 酒気帯びの有無
二 疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無
三 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第四十七条の二第一項及び第二項の規定による点検の実施又はその確認
2 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を終了した運転者に対し、対面により点呼を行い、当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況並びに他の運転者と交替した場合にあっては第十七条第四号の規定による通告について報告を求め、及び酒気帯びの有無について確認を行わなければならない。ただし、輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、貨物自動車運送事業者が点呼を行う場合にあっては、当該貨物自動車運送事業者は、対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定めた機器による点呼を行うことができる。
3 貨物自動車運送事業者は、前二項に規定する点呼のいずれも対面(輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、貨物自動車運送事業者が点呼を行う場合にあっては、国土交通大臣が定めた機器による方法を含む。)で行うことができない乗務を行う運転者に対し、当該点呼のほかに、当該乗務の途中において少なくとも一回電話その他の方法により点呼を行い、第一項第一号及び第二号に掲げる事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。
4 貨物自動車運送事業者は、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であって、国土交通大臣が告示で定めるものをいう。以下同じ。)を営業所ごとに備え、常時有効に保持するとともに、前三項の規定により酒気帯びの有無について確認を行う場合には、運転者の状態を目視等で確認するほか、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。
5 貨物自動車運送事業者は、第一項から第三項までの規定により点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示をしたときは、運転者ごとに点呼を行った旨、報告、確認及び指示の内容並びに次に掲げる事項を記録し、かつ、その記録を一年間保存しなければならない。
一 点呼を行った者及び点呼を受けた運転者の氏名
二 点呼を受けた運転者が乗務する事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
三 点呼の日時
四 点呼の方法
五 その他必要な事項

とあります。

上記の文言から、原則は「対面」によることが読みとれると思います。

しかしながら、例外として
輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、貨物自動車運送事業者が点呼を行う場合にあっては、当該貨物自動車運送事業者は、対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定めた機器による点呼を行うことができる。
対面(輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、貨物自動車運送事業者が点呼を行う場合にあっては、国土交通大臣が定めた機器による方法を含む。)で行うことができない乗務を行う運転者に対し、当該点呼のほかに、当該乗務の途中において少なくとも一回電話その他の方法により点呼を行い……

とあり、「絶対に対面」でなければならないというわけでもないこともわかると思います。

とはいえ、この対面以外の方法を使用できるのは、「輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所」や「対面で点呼を行えない乗務についている運転手」だったりとごくごく限定されているのも事実です。

令和4年4月1日から「遠隔点呼」が実施できます!

上記のような議論が出るのは、例えば、「営業所」と「車庫」が結構離れているような場合です。

この場合、点呼を受けるために運転手が営業所に行くか、それとも運行管理者が車庫へ行くか

をする必要があったのですが、

令和4年4月1日からは「遠隔点呼」というものができるようになりました。

こちらは、上記のような限定的なものではなく、要件さえ整えば「全ての営業所」において実施は可能です。

こちらは、カメラやモニターを使用して、営業所と車庫を行き来することなく点呼ができるようにするものです。

そのため、使いこなせれば非常に便利と言えるでしょう。

ただし、点呼本来の制度趣旨が損なわれることのないように、カメラに映る時の照度等に一定の制約があり、また、そもそも遠隔点呼を実施するためには、運輸支局長等への申請が必要なることも留意が必要です。

さらに、

事前に登録された運行管理者等以外の者が遠隔点呼を行うことができないよう、個人を確実に識別できる生体認証機能を有すること。生体認証機能の例として、顔認証、静脈認証又は虹彩認証等が挙げられる。

事前に登録された運転者以外の者が遠隔点呼を受けることができないよう、個人を確実に識別できる生体認証機能を有すること。生体認証機能の例として、顔認証、静脈認証又は虹彩認証等が挙げられる。なお、運転者は乗務割に基づいて認証されることが望ましい。

とあり、「生体認証機能」も必要になることから、少しハードルは高いかもしれませんが、時間を大幅に節約できる可能性があるため、大きなメリットになることは間違いありません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

点呼に関しては、法律上、はっきりと文言があることから、しっかりと遵守する必要があります。

遠隔点呼制度もスタートしておりますので、上手く使いこなせれば時短になることは間違いないので、利用できる事業者様は積極的に活用してみてはいかがでしょうか?

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車庫の前面道路の幅員について

2022-10-02

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)許可を取得する要件のうち、前面道路の幅員が何メートルあればいいのかについて、お話ししていきます。

前面道路とは?

前面道路とは、車庫から一番近い「公道」のことです。

そのため、車庫に接続しているのが「私道(道路の所有権が、個人にあるような場合)」の場合は、その「私道」の通行についても承諾を得る必要があり、難易度がかなり上がってきますので、車庫の選定をする際には注意が必要です。

車両制限令について

そして、この車庫の前面道路の幅員に関しては、「車両制限令」というものに記載をされています。

この条文の第5条及び第6条にその記載があります。

車両制限令

(幅の制限)

第五条 市街地を形成している区域(以下「市街地区域」という。)内の道路で、道路管理者が自動車の交通量がきわめて少ないと認めて指定したもの又は一方通行とされているものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員(歩道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない道路で、その路肩の幅員が明らかでないもの又はその路肩の幅員の合計が一メートル未満(トンネル、橋又は高架の道路にあつては、〇・五メートル未満)のものにあつては、当該道路の路面の幅員から一メートル(トンネル、橋又は高架の道路にあつては、〇・五メートル)を減じたものとする。以下同じ。)から〇・五メートルを減じたものをこえないものでなければならない。

 市街地区域内の道路で前項に規定するもの以外のものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員から〇・五メートルを減じたものの二分の一をこえないものでなければならない。

 市街地区域内の駅前、繁華街等にある歩行者の多い道路で道路管理者が指定したものの歩道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない区間を道路管理者が指定した時間内に通行する車両についての前二項の規定の適用については、第一項中「〇・五メートルを減じたもの」とあるのは「一メートルを減じたもの」と、第二項中「〇・五メートル」とあるのは「一・五メートル」とする。

第六条 市街地区域外の道路(道路管理者が自動車の交通量がきわめて少ないと認めて指定したものを除く。以下次項において同じ。)で、一方通行とされているもの又はその道路におおむね三百メートル以内の区間ごとに待避所があるもの(道路管理者が自動車の交通量が多いため当該待避所のみでは車両のすれ違いに支障があると認めて指定したものを除く。)を通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員から〇・五メートルを減じたものをこえないものでなければならない。

 市街地区域外の道路で前項に規定するもの以外のものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員の二分の一をこえないものでなければならない。

とあります。

ここで、大きく分けるべきなのは、

市街地区域「内」なのか市街地区域「外」なのかということです。
⇒市街地区域内であれば第5条、市街地区域外であれば第6条の適用を受けることになります。

どちらの方が厳しいかと言いますと、市街地区域「内」の道路です。

※この「市街区域」に関しては、都市計画法の「市街区域」とは別の用語になりますので、具体的には各道路を管轄している県土整備事務所や市町村等に確認する必要があるということになります。

そして、市街地区域「内」で、通常の道路であれば第5条第2項の適用を受けますので、通行可能車両幅は、

(当該道路の車道の幅員ー0.5m)÷2

となり、例えば、幅2.5mのトラックが通行するためには、

5.5mの幅員が必要になるということです。

つまり、「目の前の道路が5.4mの道路で、ぎりぎりすれ違いができるだろう」と思っても、法律上必ずしも通行が可能とはならないのです。

さらに、これが駅前等の道路になると、

(当該道路の車道の幅員ー1.5m)÷2

となりますので、6.5mの幅員が必要ということになることから、注意が必要です。

次に、市街地区域「内」で、交通量がきわめて少ない道路や一方通行の道路に関しては、

当該道路の車道幅員ー0.5m(駅前等は0.5mではなく1mになります)

となり、幅員的にはクリアできるケースがほとんどだと思います。

次に市街化区域「外」の場合ですが、こちらは第6条の適用になり

通常道路は、「当該道路の車両の幅員÷2」です。

一方通行の道路等は、「当該道路の車両の幅員ー0.5m」になります。

どうやって確認をするのか?

確認方法は、その道路を管轄している官公庁から、「道路幅員証明書」というものを取得します。

発行に時間がかかる可能性がありますので、早めに取得することをおすすめします。

そして、この「道路幅員証明書」に関しては、分かっている自治体もあれば、わかっていない自治体もありますので、まずは官公庁に確認をしてみてください。

そして、取得する前に、道路幅員以外に「車両制限令の文言が入るのかも確認」するようにしましょう。

自治体によっては、道路管理を所管している課であっても「車両制限令って何?」といったリアクションになってしまい、道路が何条何項の道路になるのか分からないケースもあります。

ただ、それでも管轄している官公庁で判断してもらうしかないので、「何故、車両制限令の記載が必要なのか」しっかりと伝えるようにしましょう。

先ほども申し上げたとおり、車両制限令のどこに該当するかで、必要になる幅員は違います。

気を付けるようにしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今日は、車庫の前面道路の幅員のお話をしました。

許可の要件の中でも事前調査がしっかり必要な項目になりますので、許可取得にあたり、「土地を借りる」「購入する」といったケースは特に慎重に調べるようにしましょう。

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自動車運送業(一般貨物自動車運送事業を含む)は法令違反を指摘されやすいです

2022-09-02

こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。

今日は、一般貨物自動車運送事業を含めた「自動車運送業」は法令違反を指摘されやすいことについて、根拠を踏まえてお話ししたいと思います。

厚生労働省の監督指導・送検等の公表情報

令和4年7月27日にトラック・バス・タクシー等の自動車運転者を使用する事業所に対する令和3年の監督指導・送検等の状況を公表しました。

その内訳としては、

労働基準関係法令違反が認められたのが「3,054事業場」

改善基準告示違反が認められたのが「2,010事業場」

となっています。

その中でも多いのが、

法令違反事項は労働時間(45.1%)、

告示違反事項は総拘束時間(39.1%)

が最も多く、業種別ではトラックが法令違反事項2,465件、告示違反事項1,754件と大半を占めています。

重大・悪質な法令違反により「送検」されたのは42件で、業種別の内訳はトラックが32件、バスは0件、ハイヤー・タクシーは3件、その他7件でした。

法令違反等は、トラックが圧倒的に多数を占めています

上記を見てわかるかと思いますが、法令違反等をしているのはトラック、つまり「一般貨物自動車運送事業」が圧倒的多数になっています。

それだけ、労務管理が適正になされていない(業界自体、労務管理が難しい)といった側面があることは一目瞭然で、労働基準監督署等も黙って見過ごしていないということです。

そのため、一般貨物自動車運送事業許可を取得し事業を行う際には、しっかりとした労務管理体制を構築することが大切であると言えるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

一般貨物自動車運送事業については、「監査」があったりしますので、そういった所でも発覚することがあります。

そのため、しっかりと日々の勤怠管理を含めた労務管理をしていく必要があります。

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