こんにちは。社会保険労務士・行政書士の浜田です。
今日は、一般貨物自動車運送事業許可の少し込み入った部分について、お話しします。
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ダンプ屋に一般貨物自動車運送事業許可は必要なのか?
一般貨物自動車運送事業許可は、いわゆる「緑ナンバー」のついている車のことを言いますが、トラック等のナンバープレートが白ではなく、よく緑になっているのを目にすることがあると思いますが、いわゆるあれのことを指しています。
貨物自動車運送事業法の条文を引用しますと
「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。
とあり、さらに条文には
「一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。」
とあり、貨物を有償で運送する際に許可が必要なことがわかります。
貨物には、多くの物が含まれますので、当然、建設現場に必要な「土やコンクリート」といった材料も貨物に含まれると考えるのが妥当でしょう。
そうなりますと、土やコンクリートを運んでいるダンプトラックやミキサー車を使用している会社(ここでは、現場の材料を運ぶことを主の事業にしている会社等をさします)はどうなりますでしょうか…?
一般貨物自動車運送事業許可が必要ということになりますよね。
つまり、トラックのような段ボールに入った荷物等を運ぶだけに限られないということなのです。
では、産業廃棄物はどうなるのか?
では、上記を土やコンクリートではなく、「産業廃棄物」と考えた場合はどうでしょうか?
法律的な考え方で言いますと産業廃棄物を除外しているわけではないので、「産業廃棄物」に関しても一般貨物自動車運送事業許可が必要になると考えるのが妥当です。
そのため、元請の現場で排出された産業廃棄物を処分場等に運搬する際には、一般貨物自動車運送事業許可が必要になります。
※取得していない事業者が多いですが、法律の趣旨を加味すると取得するのが妥当だと考えられます。
※ただし、事業における「運送行為が自己の生業と密接不可分であり、その業務に付帯して行われる場合は、当該運送行為が主要業務の過程に包摂しているものと認められ、貨物自動車運送法上の許可等を要しないこととしていることから、自社で許可がいるか否かを正確に知りたい場合は、国土交通省へ確認を行うのが一番確実でしょう。
※とはいえ「運賃」が含まれている事業は、一般貨物自動車運送事業許可が必要になる可能性が大きいと思われます。
ルール違反には罰則が当然あります!
では、上記のように緑ナンバーをとらずに、走っている白ナンバープレートのダンプ屋さんは、万が一見つかってしまうとどうなってしまうでしょうか?
こちらも条文に記載があります。
三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
とあり、懲役・罰金が両方とも科される可能性があることも明示されており、重い刑罰と言えそうです。
近年では、罰せられている企業が増えています
ここ最近でも、緑ナンバーを取得せずに「白ナンバー」で他人の荷物を運んでいたことがバレて、ニュース等で取り上げられている企業が増えていますが、こうなると実名をさらされていますので「社会的信用」も地に落ちることになりますし、企業としても許可を取得せざるを得ない状況に追い込まれます。
しかし、一般貨物自動車運送事業許可は簡単に取得できるものではなく、多くの要件があるため、
「今すぐ必要!」
と言われても、取得できないのです…。
※実際、申請から許可までも数か月かかります。
近年はコンプライアンス遵守の企業が多いです
近年は、元請会社からの要請等もあり、ダンプ屋さん等も緑ナンバーを取得されるところが増えてきているように感じます。
つまり、コンプライアンスを重んじる会社が増えてきているということですね。
これは、一般貨物自動車運送事業許可に限らない話だと思います。
ただし、許可を取得するにも多くのお金が必要になりますし、維持管理にも多くのお金が必要になります。
だからこそ、無許可業者が必要な経費をかけなくて得をするような、正直者が馬鹿を見るといった世の中が少しずつ変わっていけばいいですよね。
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