こんにちは。
社会保険労務士・行政書士の浜田です。
今日は、助成金の有効期間(助成金が終了してしまうケース)について、お話しします。
このページの目次
助成金が終了する2つのポイント
助成金が、終了してしまうケースはだいたい下記のケースになります。
・予算が終了してしまう。
・法改正等により、そもそも義務化されてしまった
では、一つずつ見ていきましょう。
助成金が「予算がなくなった」ことにより終了してしまう場合
これは、特に人気のある助成金に多く起こる現象です。
令和3年度で見ると、
「働き方改革推進支援助成金」というものがありました。
※既に終了しています。
こちらは、非常に使い勝手がよく、「業務の生産性が上がることが見込める」ことに取り組んだ事業者に助成されたものになりますが、例えば、
・従業員への研修・周知・啓発
・外部コンサルティングの利用
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・人材確保に向けた取り組み
・労務管理用ソフトなどの導入・更新
・生産性向上に資する設備・機械などの導入・更新
に対して使用できたものです。
また、助成額が「最高340万円」といった高額なものであったため、
例えば、生産性向上に資するものであれば、自動車(軽トラ等)の購入も可能でした。
そのため、使用される会社が非常に多く、早々に予算が終了してしまいました。
もう一つ人気ということでいきますと
「65歳超雇用推進助成金の65歳超継続雇用促進コース」というものも開始から半年ほどで終了しています。
こちらは、「定年の引上げ」や「定年の廃止」を行った事業者に対し、60歳以上の被保険者数に応じて助成されるものでしたが、助成額が「最高で160万円」と、「制度を導入するだけ」で100万円以上もらえたことから、非常に人気であったため、こちらも早々に終了してしまいました。
といったように、「人気のある使い勝手のよい助成金」は早々に終了してしまうのです。
法改正等により、そもそも義務化されてしまった場合
こちらに関しては、上記の「65歳超雇用推進助成金」が例にはなると思いますが、
令和4年1月現在の法律では、「定年は60歳」となっており、ただし、希望者については65歳まで雇用する環境を整備するように事業者に義務付けをしています。
しかし、そう遠くない未来に、「定年が65歳」になった時(おそらくなるでしょう)には、おそらく「年金の受給も70歳」になり、その間5年間については、国は上記のように希望者については70歳まで雇用する環境を整備するように事業者に義務づけたり等をするでしょう。
そうなると、65歳超雇用推進助成金で求めているような内容が、法律上最低限のレベル(要は、「やって当たり前」)になることから、国としても助成する意味がないことから、当然助成金という形はとらないということになります。
その際は、もしかしたら「70歳超雇用推進助成金」といったものが新しく増設されるかもしれませんが…
といったように、そもそも義務化されてしまったものについては助成金というものは出ないということになります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
助成金が、使用できる期間(年度)を待たずに終了してしまうようなケース等について紹介しました。
本当に人気のある助成金については早々に終了してしまうので、注意しておきましょう。
「えっ?そんな助成金があったの?」
「自分の会社も使えたのに…」
ということに後でならないように、常に最新の情報を入手しましょう。
特に、年度末にかけて新しい助成金の情報が出るかもしれないので、これからの時期は見逃さないように注意しておいた方がいいかもしれません。
助成金によっては、助成金の支給申請前までに、あらかじめ制度の設計や環境整備等をしておく必要があるものが多くございますので、助成金の運用にご注意ください。
※また、「助成金コンサル」を名乗る株式会社等の会社が多くあります(営業メールが来ることも多いかと思います)が、社会保険労務士でないものが有償で助成金の書類作成や申請を行うことは法律で禁じられていますので、会社のコンプライアンス上もくれぐれもご注意ください。